自動翻訳AIで進化 -【読売KODOMO新聞】

2022/07/22
テクノロ通信:

AI翻訳の力でくらしが変わる!



スマホ1つで、どこの国の人とも自由に話せる。そんな未来が近づいています。話しかけるだけで外国語に変換してくれる自動翻訳装置の技術は、ここ数年で一気に進みました。AI翻訳の技術にもPythonが貢献しています。


今、日本の自動翻訳で広く使われているのは、国の研究機関である「情報通信研究機構(NICT)」が開発したアプリ「VoiceTra」です。


ボイストラは英語や中国語など、たくさんの言葉を認識できます。スマホに向かってしゃべると瞬時に翻訳し、伝えたい外国語が画面に表示され、それを自然な音声でも伝えてくれます。


相手の外国語も同じように日本語に変換されるので、交互にスマホに話しかければ、会話ができるのです。国際的なイベントでいろんな国のお客さんを案内するときなどに役立ちます。ダウンロードは無料で、件数は680万を超えています。


ボイストラは多くの言語を、自然に翻訳できます。ちょっと昔の自動翻訳は、言語ごとの文法をコンピューターに覚えさせ、単語やフレーズごとに翻訳したため、できあがった文にぎこちなさが残りました。


でもボイストラは聞き取った音声を高性能なサーバーに送り、瞬時に翻訳します。そこではAI(人工知能)が文全体を見て翻訳するため、より自然な文になるのです。


技術の普及に携わるNICTの香山健太郎さんは、「AIのほか、それを支える膨大なデータも大事です」と話します。自動翻訳には、「この文は外国語だとこうなる」といった大量のデータが必要だそうです。香山さんは「AIが規則性を理解するまで、いろんな言い回しをたくさん学ばせます」と教えてくれました。



2022/7/14 読売KODOMO新聞
ボイストラの技術は、手のひらサイズの音声翻訳機「ポケトーク」など、多くの商品に活用されています。また、日本を観光に訪れる外国人が利用できるよう、各地の施設で導入が進んでいるほか、病院や交番、学校などのでも活躍しています。AI翻訳の力で、外国の人の暮らしやすい環境を作っているのです。