香川県で作ろうとしている条例が、全国で議論の的になっています。それは、子供たちが、ゲームをやめたくてもやめられなくなる病気「ゲーム依存症」になるのを防ぐための条例です。議論を呼んでいるのは、条例案の「ゲームは1日あたり60分までを基準にする」という部分。
「ゲームをやりすぎないために、ルールがある方がいい」と賛成する人がいる一方、「どのくらいゲームをするかについて他人が口出しすべきではない」と反対する人もいます。みなさんの家庭ではゲームをするルールはありますか?
香川県が今回の条例を作ろうとしているのは、「ゲーム依存症」が社会問題になっているからです。
ゲーム依存症になると、ゲームをやらないと気がすまなくなります。中には1日15時間もゲームをする人もいて、日常生活がおろそかになるだけではなく、親が心配してゲーム機を取り上げると、かえって反抗して暴力をふるうケースも。
ゲーム会社も、親のスマホで時間を管理する機能をつけるなど対策に乗り出しています。WHO(世界保健機関)は昨年、「ゲーム依存症は病気だ」と認定しました。
条例案では、ゲームにのめりこみすぎないように「1日1時間」という制限時間を示しました。でもこれはあくまで「基準」。ゲームについてのルールを各家庭で作り、時間も家庭の事情によって決めるよう、条例案は求めています。
今回の条例の賛成・反対意見にはこんなものがあります。
<賛成>
ゲーム依存症は危険なのに、無制限にゲームをさせている家庭が多い。条例ができれば、「ゲーム依存症にならないためにはどういうルールが必要か」をそれぞれの家で話し合うきっかけになる。
<反対>
本来、ゲームは何時間しようとその人の自由。今はゲームの腕を競うeスポーツもさかん。経済を元気にする手段としても注目を浴びている流れに逆行している。
精神科医の岩崎正人さんは、ゲームの使い方を家庭で話し合うことを推奨しています。ルールを決める場合も、話し合って子供が納得しないと、守ることが難しいからです。
ルールは一度決めて終わりではなく、守れなかったときにどう変えれば良いかを話し合って、何度も見直すことが大事だといいます。
2020/2/20 読売KODOMO新聞